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【原作小説】影の皇妃【あらすじ3】

2021/06/06

影の皇妃

副管理人のWamiです。今回はピッコマ連載中の韓国マンガ「影の皇妃」の原作小説あらすじをまとめました。

原作タイトル(韓国):그림자 황비

英語タイトル:Shadow Queen

作品紹介

フランツェ大公の頼みで熱病で死んだ彼の娘ベロニカの代わりになったエレナ。 皇妃として暮らしていたある日、死んだはずの娘が現れエレナは殺されてしまう。 そうして殺されたエレナはどういうわけか18歳の時の過去に戻っていた!自分を陥れた大公家への復讐を誓い… (Piccomaより引用)

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【ピッコマ】影の皇妃【ネタバレ】

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原作小説のあらすじまとめ

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【原作小説】影の皇妃【あらすじ2】

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wami
物語終盤です。4巻から5巻にかけての内容となります。駆け足でまとめました。

エレナとメイは無事に秘密通路を抜けてジプシーに変装していたカリフと合流、ヒューレルバードも遅れて合流してきた。一行はジプシーに変装し放浪馬車で逃走。ここまではエレナの計画通りだった。

エレナの失踪は皇后の耳にも入った。近衛隊から大公家の馬車が皇居から出ていったとの報告を受けた皇后は、エレナが途中棄権したと思い、怒りで皇太子妃選出式を急遽中止とした。
エレナ失踪はリアブリックにも知らされ、彼女は再び裏をかかれたことに青ざめた。しかし皇居周辺を警戒中に、場違いな放浪馬車が停まってたことを思い出しルーカスと騎士団に後を追わせた。

ルーカス率いる騎士達に追いつかれたエレナ一行は、ヒューレルバードの超人的な剣術で応戦するが、エレナがルーカスに捕まってしまう。エレナは裏にリアブリックがいることを知った。
「お前を殺すようにとリアブリック子爵からの命令だ。」ルーカスの剣が喉元に迫ったとき、二人の間に剣が飛んできて馬車の床に刺さった。
黒い覆面の男が軽やかに馬車に飛び乗り刺さった剣を抜いて言った。「悪党を捕まえる悪党さ。」

10日前、エレナは大公家でほぼ監禁状態で何もすることができず、危機的な状況にあった。彼女はレンがスパイとして送り込んでいたシェフを通じて今回の計画をレンに伝えていた。

「もっと早く来れないんですか!」「そんなに俺に会いたかった?」余裕の笑みを浮かべるレンはヒューレルバードと共に騎士団を全滅させた。
レンはエレナたちを先に逃がし、ルーカス隊の壊滅を失踪したと思われていたラインハルト家の騎士団長ウォルフォードの仕業に見せかけた。
大公家に監禁状態だったエレナからの伝言を聞いたレンは、事前にシアンと会いエレナを安全に逃がす計画を話しあっていた。

しばらくして現場に到着した第2騎士団とリアブリックはその光景に目を疑った。大公家の精鋭隊10名が無残な姿で殺されている信じられない事態だった。エレナのあざ笑う声が聞こえるような気がして屈辱で体を震わせた。
騎士達は現場でウォルフォードの剣を発見。「なぜラインハルト家が介入しているのか?」リアブリックの頭は混乱した。

「子爵!この場を離れなければ!」騎士の叫びに振り向くと、シアン率いる皇居近衛隊がリアブリックたちを包囲した。
「この事件は皇太子の職権で捜査を命じる。大公家は協力するように」捜査の主導権を奪われてしまった。いくら権威が失墜したとはいえ、皇命に逆らえば大公家といえども政治的な打撃は避けられなかった。
「なぜ狩りに出たはずの皇太子がここに?もしかしてこれもエレナの計画なのか?」リアブリックは今まで感じたことがない敗北感で顔を上げることができなかった。

大公家の騎士たちが殺された事件は大きなニュースとなった。ウォルフォードによる犯行とされたラインハルト家のクロム侯爵は対応に追われ、帝国法を破り首都近郊で勝手に騎士団を動かした大公家も責任を問われることとなった。さらに失脚したはずのリアブリックが独断で騎士団を動かしていたことを知った貴族たちはさらに反発を強め、フランツェ大公はリアブリックに相当の責任を負わせることを約束して事態収拾を図った。
またエレナの失踪は様々な憶測を呼ぶことになり、ベロニカ公女の評判を落としていった。
そんな中、本物のベロニカがついに大公家に戻ってきた。


これから『L』として生きていくエレナは、シークレットサロン本館に居を構えた。ベロニカが戻ってきたニュースにも淡々としていた。侍女のアンはその後マリアナ群島に送られていた。※マリアナ群島については漫画版10話をご参照ください。
エレナはエミリオに密かに両親の行方を捜してもらっていた。両親が北部地域でワイン事業を手掛け裕福に暮らしていることを知ったエレナは、今すぐにでも会いたい気持ちでいっぱいだったがグッと堪えた。そんなエレナの気持ちを汲んだエミリオは、自分が両親を見守り定期的に報告することを約束した。

「どうか助けてください!何でもやります!」髪は乱れドレスもボロボロになったリアブリックが、ベロニカの去った隠れ家の地下牢でフランツェ大公に懇願していた。「あんな小娘にやられるとは」フランツェ大公の言葉は冷たかった。
騎士団を勝手に動かしたことで大公家は貴族たちの反発を招き、皇室に対して莫大な課徴金を支払う羽目になった。大公は小さく笑った。「ここに閉じ込められた者たちは全てお前の責任だな。絶望しろ、リアブリック。」鉄格子に閉じ込められた囚人たちは、事実を知って叫びながら彼女を罵倒した。

ベロニカが戻ってきた大公家の雰囲気は一変した。使用人たちは気まぐれで残酷なベロニカに戦々恐々としていた。ノブレス事業を引き継いだ彼女は、どんな手段を使ってでも『L』のサロンを潰そうとしていた。
大公家は、ラファエル始め気鋭の芸術家たちとの接触を開始した。しかし『L』の支援を受け恩義を感じていた彼らは、みな大公家の誘いを断った。

その日、エレナはサロンでシアンとレンに会う約束をしていた。しかしレンは約束の時間よりも早くやってきてエレナを困らせた。
「君が代役になった原因はオレにある。」ベロニカに毒を盛ったのはレンだった。彼女の反応が怖かったが、エレナはレンの行動に理解を示した。
「君の本当の名前は?」エレナはぎこちない様子で自分の名前を教えた。「エレナ・・・」レンは楽しそうに何度も名前を呟いた。
エレナはベロニカについて何も知らなかった。「ベロニカってどんな人ですか?」「キ〇ガイだよ」「ふざけないで!」
レンは真顔で言った。「そのままの意味だ。理解しようとするな。狂った女をどうやって理解できるんだ?」エレナの表情が固まった。
「思い通りにならなければ殺すだけだ」レンの言葉で大公家の誘いを断った芸術家たちのことが気になった。

3人の会合のあと、エレナは皇居近衛隊の改革を進めるシアンに手形を贈った。それは大公家の賠償金の5倍に匹敵する金額だった。回帰前、エレナは今回同様シアンが近衛隊改革に着手したものの、資金不足のため失敗し涙する姿をみて胸が締め付けられた。今回こそは改革が成功するよう心から願った。
シアンもエレナへの贈り物があった。爵位の下賜だった。女性が爵位を受けるのは異例の事でエレナは辞退したが、シアンは許さなかった。「貴族殺害は重罪だ。あなたに爵位が下賜されればいくら大公家でもうかつに手を出すことはできない。」エレナはシアンの心遣いに感謝し、爵位を受けることにした。
最後にシアンがお願いした。「君の本当の名前を教えてくれるか?」「・・・エレナです。」「エレナ・・・」静かに名前を呟くシアンの口から笑みがこぼれた。

エレナの不安は的中した。大公家の誘いを断った芸術家たちが命を狙われたが、「マジェスティ」の情報力によって未然に防がれた。エレナは改めてレンが味方になってくれたことに感謝した。エレナは彼らにヒューレルバードが厳選した傭兵たちを護衛に付けた。

ベロニカは失敗したアセラス(リアブリックの後任)を責めた。「大公家こそが真の帝国の太陽です。ノブレスに参加しない者は皆殺しにしなさい。」残酷な笑みを浮かべるベロニカに、アセラスは恐怖で顔を歪めた。


サロン別館の完成記念式が目前に迫り、首都は揺れていた。招待状の入手を巡り貴族たちは右往左往していた。小さなサロンはすでに帝国を揺るがすほどの影響力を持っていた。エレナは時代を象徴する巨匠たちが一堂に会する歴史的なものにしようと考えた。

式の当日、『L』が皇室から準男爵位を下賜されると、貴族達は驚き拍手で称賛した。途中ベロニカが乱入しエレナを挑発、会場を騒然とさせた。彼女は貴族たちの特権意識を刺激し、同調した者たちを連れて会場を出ていった。

嵐が吹き荒れた会場は静寂に包まれていたが、残った者たちは結束を強め、会場はそれまで以上に熱気に包まれ式は成功のうちに終了した。

エレナはこのまま黙っているつもりはなかった。ベロニカを刺激して破滅に追い込む計画を着々と進めていた。

絶大な影響を持つ『L』と数年間眠っていた時代遅れのベロニカでは勝負にすらならなかった。エレナの綿密な策略により、ベロニカに同調した者たちの大半はまたサロンに戻ってきた。
ベロニカが自信をもって開催した演奏会もエレナのせいで屈辱的な結果となり怒り狂った。「サロンの人間をみな殺さなくてはいけない。家族もいるなら全て皆殺しにしなさい。」アセラスは困惑した。「サロンも燃やしてしまいましょう。再起不能にしなければ」ベロニカの目が不気味に光った。

そんなベロニカを、サロンの科学者が開発した望遠鏡を使って遠くからレンが監視していた。「あの狂人は自分の思い通りにならなければどんな無茶でもやるだろう。その時が大公家を潰すチャンスだ」


大公家には情報収集や暗殺を専門とする者たちが大陸各地で暗躍していた。ラファエルが命を狙われたが、レンが率いるマジェスティによって阻止され、暗殺者は始末された。
アティールの報告を受けたフランツェ大公の表情はかなり深刻だった。そして部隊の解散を命じ、アティールに再編を指示した。
フランツェ大公はノブレス事業についてただ手をこまねいているわけではなかった。アティールから成功の可能性が低いことを知らされた大公は、皇帝を使ってでも『L』のサロンを閉鎖しようと考えた。すでに大公家の財政は目に見えて悪化していた。皇帝リチャードはフランツェ大公あやつり人形でしかなかった。

フランツェ大公は皇帝に謁見してサロンを閉鎖するよう圧力をかけたが、皇帝リチャードは首を縦に振らなかった。その話を聞いたシアンの瞳が揺れた。大公はついに表立ってサロンに圧力をかけてきた。リチャードは今まで大公の言いなりだったが、シアンが一人で改革に奮闘する姿を見て最後だけは父としての役割を果たしたいと思っていた。
「あの娘に会ってみたいな」リチャードは、シアンがエレナの事を話す時だけは笑顔を見せることに気づいていた。「今は難しいですが、落ち着いたらご紹介します。」

大公家による芸術家暗殺計画が全て失敗し部隊が解散したとの知らせにエレナは喜んだ。芸術家たちがいる限りサロンの成功は約束されたも同然だった。エレナはサロン別館のオープンと同時に巨大建築物バシリカがお目見えするという話を流した。さらにベロニカが開いた音楽会は人が集まらず失敗したという噂も流した。
このことは社交界に大きな影響を与えた。ベロニカやアヴェラの影響力が急速に失われていく要因となった。

『L』のせいでベロニカは毎日癇癪を起し侍女たちを虐待した。
ベロニカの横暴にげっそり痩せたアセラスが話した。「二日後にサロンに火を付けます。念を入れて中と外両方に火を付けます」
ミスをしたら許さないと警告してベロニカは自分がいた隠れ家に向かった。
地下牢の一角に設けた高級食卓で、鞭を振るわれ悲鳴を上げる囚人たちを眺めながらステーキを口に運んだ。
「素晴らしい晩餐だ。」ベロニカは満面の笑みを浮かべた。


アティールがベロニカのサロン放火計画をフランツェ大公に報告した。「万一に備えて屋上に射手を配置して外に出た『L』を狙撃しましょう。」アティールが進言した。「やっと一人前になったな」大公が静かに笑った。「『L』の死はいい見せしめになるだろう」
『L』を殺害することで皇太子と皇帝を牽制しようとした。

次の夜、家族を人質に取られた掃除夫がサロンに火を放った。彼は『L』の恩義を感じていたが妻と娘の命には代えられなかった。彼は自分も焼かれ死んで償うつもりだった。
大公家を監視していたメルからの報告書を眺めていたレンは、動きを見せない大公家に違和感を感じていた。大公家の射手であるシュタインの動きにも注目していた。その時、サロンの方角から火の手が上がっていることに気づきメルと共に飛び出した。
最新設備を備えたサロンには各階に消火設備が付いていた。火事に気付いたエレナは慌てて火元の一階に向かって消火栓を開けようとしたが、炎のため近づくことができなかった。ヒューレルバードはエレナを安全な場所に避難させて自身が炎の中に向かい消火栓を開けることに成功した。
大理石でできたサロンは元々火災には強かった。ヒューレルバードの決死の行動で炎は勢いは弱まった。駆け付けたレンは、エレナが無事なのを確認して思わず彼女を抱きしめた。エレナは驚いて顔を真っ赤にした。

火は収まりヒューレルバードが建物から出てきた。皆喜びで歓声を上げた。
エレナの無事を心から喜んだレンは調査のためエレナと別れた。「心配してくれてありがとう」エレナはレンに心から感謝した。

エレナの側を離れたレンだったが、時計台に射手がいることに気づき咄嗟にかばい背中に2本の矢を受けてしまった。
「しっかりしてください。死んだらただじゃおかない・・」エレナは涙を流しながら血だらけのレンを抱きしめて叫んだ。
レンは薄れゆく意識の中でこの状況も悪くないと思った。エレナに抱きしめられ心配されていることがただ嬉しかった。

3本目の矢を放とうとしているシュタインを止めたのはシアンだった。火の手が上がるサロンに駆け付けたシアンは、時計台から弓を射る男を発見し剣を投げつけた。剣はシュタインの肩に刺さったが、任務を失敗した男はシアンが駆け付ける前に自ら身を投げて即死した。

エレナはレンを抱きしめたまま泣きじゃくったが、彼は微動だにしなかった。エレナはメルの反対を押し切ってレンをサロンの別館に運び、最高の治療を受けさせることにした。ちょうどサロンの討論会に参加していた天才外科医のネビルがまだ首都に滞在中だった。
エレナはガイアの女神に祈った。「どうかレンを助けてください」

レンの緊急手術は困難を極めたが、矢は取り除かれ何とか危機的状況を乗り越えることができた。あとはレンの生命力に頼るしかなかった。エレナはレンのそばを離れず看病を続けた。
ヒューレルバードは生死の境を彷徨うレンを見て負い目を感じていた。「私のせいです。私がお嬢様を守らなければならなかったのに」散水装置を作動させたあと、すぐに駆け付けるべきだったと自分の不甲斐なさに憤った。
レンの部下メルは、男がメインホールで倒れていたことをエレナに報告した。「放火の可能性があります。」メルはレンの意思を引き継いでエレナに協力するため事件の背後を調査することにした。

エレナとレンが二人きりになった部屋の窓からシアンが入ってきた。彼は自分を責めるエレナをやさしく慰めた。シアンは射手がフリードリヒ大公家の騎士シュタインだったことを話した。エレナはレンの言葉を思い出した。「先にやらなければやられる」その言葉を肌でひしひしと感じた。


アティールの報告を受けたフランツェ大公の声はいつになく冷たかった。放火も狙撃も失敗しシュタインも死んだ。大公はあきれて冷笑するしかなかった。レンも皇太子も仲間に引き入れリアブリックも失脚させた女・・・「この大公家にこのような素晴らしい人材がいないとは残念だ」大公はアティールたちの無能さを皮肉った。
大公は、もう何も行動は起こさず様子を見るよう指示した。レンの傷が深く回復は難しいだろうと報告を受けた大公は、スペンサー子爵(レンの父親)を呼ぶよう指示した。

エレナは行動は早かった。ヒューレルバードを通じてギルドから傭兵を雇用しサロン周辺の警備を強化した。同時にサロンの修復作業も進めた。建物の損傷は予想ほどひどくはなかったため作業も順調に進んだ。
エレナはいつもレンの側にいて徹夜で看病を続けた。少しでもレンに届くようにずっと話しかけた。生死を彷徨うレンにできることはそれだけだった。

ベロニカはいらだちと不満で爆発寸前だった。何一つ思い通りに行かず殺気立つ彼女に、アセラスは必死に頭を下げるだけだった。そんな時『L』からオープンの招待状が届いた。ノブレス通りとバシリカのオープンは同じ日だった。エレナの挑発にベロニカが怒り狂った。「こんな侮辱は許せない。金や事業よりも高貴な血筋のプライドが重要だ。」大公から勝手な行動を取らないよう厳命されていたアセラスは止めるのに必死だったが、ベロニカは聞く耳を持たなかった。「『L』がオープン記念で仮面を脱ぐようですね。あの腐った顔をみないと怒りが収まらない」アセラスは何も起こらないことを祈るしかなかった。

ノブレス通りとバシリカが同時オープンのため首都は貴族達で溢れかえっていた。エレナはエミリオにノブレス通りの収支予想を作成してもらっていた。そしてカリフにお願いした。「この書類をボローニ伯爵、ノートン子爵、ファン男爵に渡してください」
それぞれ西部と北部そして南部に大きな影響力を持つ貴族達だった。3人の貴族は、エレナがベロニカの代役だった時に投資話を持ち掛けノブレス通りに天文学的な金額を投資していた。ノブレス通りの内情を知ればただでは済まないだろう。エレナはベロニカの歪んだ顔を思い浮かべるだけでも笑みがこぼれた。

エレナが目を覚まさないレンに話しかけていると、背後からメルが現れた。メルは火災の背景に大公家の支持があったことを報告した。エレナは無関係な人を巻き込んでしまったことに心を痛め、火をつけた掃除夫とその家族の安全と補償を約束した。その寛大な心に感嘆したメルは、レンが心惹かれる理由が分かったような気がした。そしてレンに視線を送った。「必ず目を覚ましてください。寝ている間にこのような方を逃がすと一生後悔するでしょう。」
さらにメルはスペンサー子爵が大公家に召集されたまま戻ってきていないことを伝えた。大公家はレンとエレナの関係に気づいたようだった。子爵もレンも不在のバスタージュ家はこのままでは瓦解しかねなかった。「レンは死んだという噂を流してください」エレナは大公家の出方を見極めるつもりだった。「もし大公家が吸収するつもりなら、私がバスタージュ家を守ります」

日も当たらない地下牢でリアブリックは体を丸め横になっていた。彼女はずっとエレナの事を考えていた。そしてエレナが『L』であり、公国を離れる時から全てを計画していたことに気が付き背筋が凍った。身の毛がよだつほど恐ろしい女だった。「大公家は潰されるだろう・・」「今すぐアティールを呼べ!」リアブリックが叫んだ。牢の警備員はアティールの息がかかった人物だった。「早くしないと取り返しがつかないことになる。」


ノブレス通りがプレオープンした。初日は予想に反して多くの貴族が来場しベロニカは気分が良かった。「やはり『L』のサロンとは格が違う」「公女殿下のお言葉はいつも正しいです。」アセラスはご機嫌取りに必死だったが本音は違った。貴族達は大公家の権威に逆らえずオープン初日だけは来場したが、2日目以降その保証はなかった。事実、店舗の売上は芳しくなく予想以上に深刻な状態だった。
ベロニカはじっとしていても『L』のことが頭から離れず殺してやりたい衝動に駆られた。
「私が頼んだものは準備した?」「準備しましたが、何にお使いでしょうか?」「『L』への贈り物だよ。ちゃんと祝ってあげないといけない。」にっこり笑うベロニカを見てアセラスは息をのんだ。ベロニカの猟奇的な行動がついに一線を越えようとしていた。

シアンは皇居近衛隊の改革を進めていた。皇権の強化は貴族たちの反発を招いたが皇帝リチャードが矢面に立ってシアンを庇った。そしてリチャードはシアンの心配をよそに『L』に文化勲章を与えることを決定した。それはリチャードがエレナと公式に会うための口実でもあった。リチャードは自分を犠牲にしても大公家の陰謀を阻止するつもりだったが、それにはエレナの協力が不可欠だった。

オープン2日目、状況は一変していた。『L』のバシリカには貴族や平民たちが溢れていたが、ノブレス通りは閑散としていた。
オープン記念の最終日、この日は『L』が初めて仮面を取る日でもあったのでサロンには人が溢れかえっていた。そしてその中にはベロニカもいた。
会場ではシャンパンが振舞われ、エレナはベロニカを壇上に招待した。乾杯でグラスを空けるエレナを見てベロニカはほくそ笑んだ。彼女は事前にサロンに運び込まれたシャンパンを猛毒入りのものとすり替え無差別殺人を計画していた。「今日は人生最高の日だわ。」
しかし何も起こらなかった。ベロニカが困惑しているとそこにシアンが現れ彼女を糾弾した。ベロニカの計画を事前に察知していたシアンは、皇室が下賜したシャンパンとすり替えていた。シアンの殺気に怯えるベロニカの前で、ついにエレナが仮面を外した。
エレナを見たベロニカは愕然とし、参加者たちも驚きの声を上げた。二人はまるで双子のようにそっくりだったが、今やエレナの方が存在感が大きくベロニカの自尊心はひどく傷ついた。
「偽物のくせに!」罵るベロニカにエレナは勝ち誇ったように答えた。「それは公女が決めることではありません。」
事情を知らない参加者達にとっては、嫉妬に狂ったベロニカが『L』に喧嘩を売っているようにしか見えなかった。


『L』への怒りで一睡もできなかったベロニカは次の日フランツェ大公の執務室に押し掛けた。フランツェ大公の前には革袋が置かれ床には血が飛び散っていた。ちょうど拷問中のようだった。「アセラスだ。」ベロニカの瞳がゆれた。まさかアセラスがこのようになっているとは思わなかった。「お嬢さま・・・」袋からアセラスの苦痛に満ちた声が聞こえた。同席していた騎士ホランドが鉄の棒を振り下ろした。「今回の事はアセラスが主導したことです。」ベロニカはアセラスに責任を擦り付けた。
「Lにはもう手を出すな。」ベロニカは唇をかみしめたが、絶対的な父の言葉に従うしかなかった。
そこにアティールから皇室近衛隊が解散したとの報告が入り、大公は一瞬固まった。近衛隊は大公家の息がかかった者たちが多く所属していた。それを解散させるということは大公家に戦線布告をしたということだった。
「リチャードの奴、私に歯向かおうというのか・・」帝国最恐の男、フランツェ大公がもう一度動こうとしていた。

wami
次回、本編ラストまでまとめます!
【原作小説】影の皇妃【あらすじ4】

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