wami
愛する女のために自分の信念を曲げる男と、愛する男のために再び自らの手を汚していく女、そして他人を救うことができても愛する男は救えない聖女の話です。
漫画よりも小説がおすすめです。
家族の愛を渇望するあまり、兄ローレンスに利用され帝国を地獄に変え、最後はゴミのように捨てられるアルティゼア。
そんな彼女を救い出し、膝をついて帝国奪還の協力を願うかつての敵セドリック。アルティゼアは、セドリックのために自分の命を対価に古代魔法を使い時間を戻しますが、不完全な魔法だったため自分も一緒に回帰してしまいます。
そしてセドリックを皇帝にするため動き出すアルティゼア。しかし、不完全だった魔法により記憶が蘇る者たち(帰ってきた者)が次々と現れ事態は予期せぬ方向へ進んでいきます。
終盤、皇太子となったセドリックは首都を完全に掌握しますが、記憶を取り戻したローレンスはかつての妻リシアを誘拐し西部地域を壊滅させて帝国を破滅に導こうとします。アルティゼアは再び自らの命を削って魔法陣を発動しローレンスを阻止、命が尽きる寸前セドリックがアルティゼアの対価を肩代わりし魔法陣から彼女を救い出します。
一方、聖女リシアは2回目の人生でもローレンスを愛してしまいます。記憶が戻ったあとも破滅に向かう彼をなんとか救おうとするリシア。しかし、最後は彼を聖力を込めた銃で撃ち殺します。
セドリックはついに皇帝の座を奪いますが、その代償は大きすぎました。リシアによる治療を受けたものの生気を失い一気に老け込んでしまったアルティゼア。魔法陣を描いた指は欠損し、巻き込まれた右足も不自由になります。
全てが終わり「もう引退したい」というアルティゼアに何も返す言葉がないセドリック。元々セドリックを皇帝にするまでの契約だった結婚を破棄し、彼女を苦しみから解放しようとします。
アルティゼアは過去を精算するため母親に会いに行きます。廃人同然となった母ミライラは修道院で静かに暮らしていました。別れ際に謝罪するミライラですが、アルティゼアは振り返ることなく彼女と決別します。
アルティゼアの最後の願いは残りの人生をセドリックとともに生きることでした。首都に戻ったアルティゼアはセドリックに自分の想いを伝えます。彼女との別れを覚悟していたセドリックは涙を流し彼女を抱きしめ幸せにすることを誓います。
書籍版は外伝も含めると全9巻にもなる大作です。
アルティゼアとセドリック二人の話が中心に書かれてはいますが、登場人物たちも非常に多く彼らのエピソードも細かく盛り込まれているため、皇室を取り巻く人間たちの群像劇に近いです。ストーリーに関わる人物が非常に多いので、読み進めるうちに混乱してきて何度も読み返す羽目に・・・
「恋愛」のタグがついていますが、ロマンスはかなり少な目なので人によっては物足りないかもしれません。
外伝について
外伝1(つぼみの落ちる音)
セドリックは回帰前に初めてティアを見かけた時の夢を見ます。ミライラのパーティーで1人寂しく佇むティアにどうしても声をかけることができないセドリック。その後2人は運命に翻弄されますが、今は隣で眠るティアを見ながらその時すでに彼女に心を惹かれていたことに気付く話です。
外伝2(春風)
登場人物たちのその後の話。アルティゼアは2人目の子供を授かります。ベッドに横たわるアルティゼアのもとにリシアが訪ねてきます。そこはかつてリシアが皇后だった時に病に伏していた場所でした。その時とは逆の立場で向き合う二人のやり取りが印象的です。
外伝3(夏山)
セドリック家族に焦点をあてたストーリー。セドリック達は先代エブロン大公夫妻の墓を訪問します。快活な皇女レティーシャと物静かな皇子ユーシス。そして祈りを終え墓を後にする一家。明るい未来を感じさせますが、どこか陰のある姿がこの物語のエンディングに相応しいです。
物語としては一応ハッピーエンドなんですが、読後感はすっきりとは言い難いです。
アルティゼアは、最後の魔法陣に寿命を奪われる前にもミエルに自身の寿命10年を分け与えています。セドリックもアルティゼアが払う対価の肩代わりをしたため寿命を削りました。
2人がどのくらいの寿命を対価として払ったのかはわかりませんが、長くは生きられないかもしれない・・・そんなところが二人の幸せに影を落としています。
wami
外伝にありますが、リシアはアルティゼアを全面的に支えます。その聖力のおかげでアルティゼアの生気も戻ってきているところが唯一の救いかもしれません。
結末やネタバレはコチラでも情報交換されています(英語)
https://forum.novelupdates.com/threads/the-villainess-lives-twice-악녀는-두-번-산다.106143/
作品レビュー(韓国)
https://m.blog.naver.com/rasede/221945308685
作品紹介(英語)
https://www.anime-planet.com/manga/the-villainess-lives-again
漫画アップデート
https://www.mangaupdates.com/series.html?id=168007